ラグビーW杯in大分 - 長嶋不動産鑑定事務所/土師 一弘
ラグビーW杯が開幕しました。日本代表がロシアに勝利し、予選グループ最強のアイルランドからも大金星を上げたことで、国内も俄然盛り上がってきました。
このラグビーW杯が筆者の住む大分市でも開催され、10月2日のニュージーランド対カナダ戦を皮切りに準々決勝2試合を含む計5試合が行われます。大分では、2002年のサッカーW杯以来のビッグイベントになります。
今、大分の街はW杯一色のムードに包まれています。大分駅北口には、市が約30億円かけて整備した「祝祭の広場」が9月7日に完成しました。
ここには、移動式大型屋根、ステージ、大型スクリーン等が設置され、試合観戦のほか、歌・ダンスなどのステージイベントが行われ、大分で行われる予選に出場する6カ国の料理を提供するブース等も開設されています。
また、W杯会場までのシャトルバスが発着する大分駅南口には「ファンゾーン」がオープンし、ここでは大画面で試合を観戦できるほか、ラグビー観戦に欠かせない生ビールや地元の焼酎・酒・郷土料理等が提供されます。
大会組織委員会が全国で4,300億円と見込むW杯の経済効果については、地元のシンクタンクは4万8千人の外国人が来県し、県内への経済波及効果は253億円に上るとの試算を昨年発表しました。
しかし、最近の調査では、W杯期間中は観戦客と観光客合わせて20万人以上が来県し、そのうち、約12万人が外国人と予想していますので、当初予想よりも相当大きな経済効果をもたらすことが期待できます。 直近の宿泊客調査でもそれは裏付けられています。
W杯開催期間中、県内には約15万人が宿泊予定で、準々決勝の第1試合が行われる10月19日のピーク時には、大分・別府・中津等の日豊本線沿線のホテル及び旅館は軒並み9割を超える宿泊予約が入り、うち外国人が44%を占めるということです。大分県の総人口が約114万人であることを考えると、W杯のインパクトがいかに大きいかがわかります。
これまで、大分県では外国人客が全体では増加する一方、欧米やオセアニアからの観光客は伸び悩んでいることが大きな問題でした。W杯期間中は、従来訪れることが少なかったこれらの地域からも多くの来県が見込まれるため、県ではインスタグラムやツイッター等のSNSに投稿された内容から、外国人が県内の観光についてどのような感想や印象を抱いたのかを分析し、今後の誘致策に生かす予定です。
このように、W杯は大分県にとって、またとない情報発信・収集の機会ともなります。是非ともこの大会が成功し、大分の「財産」となることを期待しています。
長嶋不動産鑑定事務所
不動産鑑定士 土師 一弘
株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)
TAGS: ファンゾーン・ラグビーW杯・土師一弘・大分・大分駅・祝祭の広場・長嶋不動産鑑定事務所 | 2019年10月21日