株式会社 鑑定法人エイ・スクエア-Appraisal Firm A square-

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自己査定に係る担保評価

「金融検査マニュアル」における不動産担保

「金融検査マニュアル」における不動産担保金融機関は、保有している貸出金や有価証券等の資産について、自らの損失可能性を分析し、債務者の返済能力により区分したうえで、リスク度合いに応じて分類する自己査定を行なっています。自己査定は、適正な償却・引当てを行なうための重要な準備作業といえます。
自己査定を行なうに当たって、金融機関が参考にしているのが「金融検査マニュアル」です。同マニュアルにおける「担保」には、優良担保と一般担保の2種類があり、不動産は「客観的な処分可能性がある」とされる一般担保に分類されています。(保安林、道路、池沼等は除く。)

簡易な査定方法の限界

不動産担保の評価額は、「客観的・合理的な評価方法で算出した評価額(時価)」とされ、多面的な視点からの検証を要するとされています。金融機関では、「客観的・合理的な評価方法」として、土地については路線価や地価公示価格等を用い、内部ルールに則って算定する簡易な査定方法が多く採られています。内部ルールの多くは、担保の種類や所在に応じて金融機関独自の掛目(70%程度の例が多い)を定め、担保評価額に乗じていますが、その掛目の合理性については、確たる説得性があるとはいえないようです。

「金融検査マニュアル」では、担保評価額が一定金額以上のものは、必要に応じて不動産鑑定士の鑑定評価を実施することが望ましいとされています。また、そうした明確な記述はありませんが、以下の2つのケースについては、現実問題として簡易な自己査定では対応が難しいため、鑑定評価が望ましいものと思われます。

賃貸ビル等の収益用不動産
「金融検査マニュアル」では、原則、収益還元法による評価とされています。
特殊な不動産(ゴルフ場等)
「金融検査マニュアル」では、市場性を十分に考慮した評価であるか検証するとされています。

不動産鑑定評価を利用することのメリット

「金融検査マニュアル」は平成19年に改訂されましたが、自己査定に関連した担保の鑑定評価の扱いに特段の変更はなく、従来通り、その鑑定評価額は「評価の精度が十分に高い場合」であるとして、「処分可能見込額」として取り扱われています。処分可能見込額とは、「算出した担保評価額(時価)を踏まえ、当該担保物件の処分により回収が確実に見込まれる額」ですから、内部ルールにおいて更に掛目を乗じる必要はありません。ただし、債権保全の観点から、所要の修正が行なわれることはあります。

弊社では、自己査定に係る担保物件の鑑定評価はもとより、金融機関独自の仕様による簡易査定のご用命も承っております。広域に及ぶ大量の案件でも、弊社のネットワークを活用することで迅速に対処できますので、是非ご利用ください。

担保の適格性

不動産をはじめとする物的担保を徴求するに当たっては、その適格性を検討する必要があります。「担保」として最も重要なことは、担保目的物の評価額が被担保債権額に十分見合っているかどうかであり、当該担保物件の処分により、債権の回収が確実に見込まれるものでなければなりません。そのためには、担保目的物が担保として本当に活用できるのか(担保適格性)を判断することになります。

「金融検査マニュアル」には以下のコメントがあり、担保適格性を判断するに際しての参考になるものと思われます。

  • 1. 現況に基づく評価を原則とすること
  • 2. 現地を実地に確認すること
  • 3. 権利関係の態様を調査すること
  • 4. 法令上の制限を調査すること
  • 5. 土壌汚染、アスベスト等の環境条件にも留意すること

なお、5については平成19年の改訂で追加されましたが、技術的な分野でもあり、場合により専門家の協力を得る等して、適切に判断する必要があります。

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土地の環境リスク

鉛、砒素、トリクロロエチレン等の「特定有害物質」に汚染された一定の土地については、土壌汚染対策法により、「指定区域」として公表されているため、場所の把握は可能です。しかし、そうした公表土地は極めて少なく、また、対象土地につき過去に実施した「土壌汚染調査報告書」等がない場合は、土壌汚染リスクの判断は一からしなければなりません。土壌汚染調査のプロセスはフェーズⅠ.からⅢ.まで3段階ありますが、金融機関担当者は、少なくともフェーズⅠ.(地歴調査)に対する十分な知識と理解が必要です。


即ち、担保土地またはその周辺(地下水の流路との関係で、隣接する四方だけとは限らない)において、現状はもちろんのこと、過去に特定有害物質の排出を疑われるような施設が存在した確証を古い住宅地図や現地ヒアリング等で得た場合(フェーズⅠ.調査)、次段階としてフェーズⅡ.(サンプリング調査)を実施する必要があります。そこでも疑わしい結果が出たら、更に詳細な調査を行ない、汚染範囲を特定したうえで、フェーズⅢ.(土壌搬出・改良)を実施することになります。こうした結果は、担保価値に大きな負の影響を与えることになるため、地歴調査で問題認識がされた早い段階から、専門家の協力を求めることが大事です。

注意事項および重要性の判断

アスベストは、建物における大きな環境リスク要因ですが、その危険度からいって、吹付け石綿および吹付けロックウールの使用および飛散状況調査が重要になります。この場合、日本でのアスベスト使用に関する法的規制の流れと対象建物の建築年次とを対比させることで"絞り込み"ができます。即ち、日本では昭和50年(1975年)9月に吹付けアスベストの使用が禁止され、平成16年(2004年)に石綿を1%以上含む製品の出荷が原則禁止されました。同基準は、平成18年(2006年)には「0.1%以上」に改定されており、現在では、ごく一部の例外を除き、アスベストは一切の製造、輸入、使用等が禁止されているため、築年の浅い建物については、アスベスト使用のリスクは存しないといえます。

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