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鑑定法人エイ・スクエア

2024年4月1日より相続登記義務化スタート - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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近年社会問題となっている、所有者不明土地の「発生の予防」と「利用の円滑化」の両面から、令和3年4月21日に「民法等の一部を改正する法律(令和3年法律第24号)」が成立した(公布は同月28日、以下「改正法」)。全国的に「所有者不明土地」が増えている背景として、改正前は「相続登記の申請」や「住所等の変更登記の申請」が義務付けされておらず、何代も相続を重ねることによって、相続人が増えて収拾がつかなくなっていたことや、仮に申請をしなくても不利益を被ることが少ないことなどが指摘されていた。   そこで所有者不明土地… [続きを読む]

チャットGPTの新しい風 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

いまNOW

最近、チャットGPTに代表される「生成AI」という言葉に出会わない日はない。昨年11月に公開されたこの米国発のテクノロジー技術の革新性のすごさが、この短期間での社会への浸透度で推し量れる。   その活用については、業界、業種によりハードルの高さはさまざまなようだが、業務の高度化や効率化を図るという観点からはチャレンジすべきと考える。   即ち、生成AIは文書の要約や企画提案書の作成を(ミスはあっても)瞬時にこなすため、生産性の向上が図られ、余剰となった戦力をAIでは代替できない、例えば営業やコン… [続きを読む]

動き出した八重洲の再開発 - 鑑定法人エイ・スクエア/田島耕一

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新型コロナ感染症もウィズコロナの段階に入り、街中に以前の風景が戻ってきました。朝夕の通勤ラッシュが再び常態となり、オフィス街では昼時に飲食店の前の行列が当たり前の光景になりました。コロナ禍で盛り上がったテレワークもさほど聞かなくなり、人々は再び街へ、オフィスへ戻ってきています。3年にわたり停滞していた経済が再び動き出したのを感じます。   街を歩いていると、ビルの建て替え工事が目につくようになりました。東京駅八重洲口側でも、トウキョウトーチのトーチタワー建設が動き出し、現在、日本ビルヂング、朝日生命大手町… [続きを読む]

「現場の知」が試される新年 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

いまNOW

明けましておめでとうございます。本年が皆様にとって良い年でありますようにお祈り申し上げます。   昨年は、年末にかけて新型コロナ感染症の拡大がみられる一方で、経済活動を制限するようなガイドライン等は発動されず、良くも悪くも「コロナ慣れ」が世間に広まり、様々な祭りやイベントが「三年振り」に復活する動きが全国でみられた。筆者が非常勤顧問を務める信用金庫は、地域貢献活動として「せたがやぼろ市」の開催のお世話役をしてきているが、これも三年ぶりに開催の運びとなった。   しかし、スタッフたちに聞くところ、… [続きを読む]

御影石の魅力 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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都心部では、次から次へと高層ビルが建ち、歩道や広場もリニューアルされて上品で高級感のある空間が作り出されている。そうした空間構成で気づいたことがある。さまざまな色目や文様の石材が床や壁に使われ、鏡面仕上げのものは透明感があって美しい。毎日の行き帰り、御影石が張られた足元の床や目線の先の壁を眺めていると、この「固有名詞が普通名詞になった石」の魅力にはまってしまう。   御影石は、地下のマグマが地殻内の深いところで冷えて固まったものだが、熱と石英や雲母、長石などの鉱物の粒が混ざり合い、それらの含有量によって風… [続きを読む]

家の作りは夏を旨とすべし - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

いまNOW

今年の夏は「危険な暑さ」という言葉を聞くことが多かった。「猛暑」「酷暑」を超えた暑さが6月初めから続き、丁度コロナの第七波とも重なったため、その危険度たるや身も心も消耗させるようなレベルであった。   暑い夏の住まいは、どうすれば快適に過ごせるか? 兼好法師は「徒然草」の中で「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。」と書いている。夏は風通しの良い家に住むと日夜とも快適に過ごせる。湿度の高い日本、当時の食生活においては、かびの発生や食物の腐敗が少しでも防げることを考えると、「風通し」は… [続きを読む]

建物価格の査定システムへの取組み - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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日本の中古住宅市場において、建物価格が実際の価値を吟味することなく、主としていわゆる法定耐用年数により評価されることで、過小評価されていることが指摘されて久しい。   これは、金融機関が担保評価の物差しとして採用している税務上の減価償却(最短許容)年数が中古市場においても住宅の耐用年数の目安とされ、これにより、建物の耐用年数が極めて短く計算され、築年数が10年以上経過した木造住宅は、“十把一絡げ”に減価されて見積もられることに起因していると言われている。   だが、それだけではなく、建物の一つ一… [続きを読む]

三隣亡(さんりんぼう)は避けましょう - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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今年の正月も普段は滅多に行かないのに初詣に出かけた。その際ふと思ったのですが、不動産取引や建築行事には縁起を担ぐことがなんと多いことか。   土地を買うときにカラ井戸があればお祓いをしてから埋める方もいます。建築に掛かるときの「地鎮祭」(土地の神様の気持ちを鎮める儀式)や、上棟式、竣工式の時などには神主さんにお祓いをお願いしたりする。   そして、これら建築に係る儀式は暦を見て「三隣亡(さんりんぼう)」の日は避けるべしと言われます。   元々は「三輪宝」といって「建てるに良し」とされる… [続きを読む]

建物の高さと高層化の歴史について - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  東京オリンピック・パラリンピック競技大会で注目を集めた東京の晴海エリアをはじめ、全国で再開発に伴う建物の高層化が進んでいる。   良好な景観や市街地環境を形成していく上で建物の「高さ」は重要な要素であり、高層化促進と高さ制限の両立を戦後の社会ではどう図っていったのか、戦後復興から高度経済成長期、バブル経済期からバブル崩壊以降現在までの建物高層化の歴史を振り返ってみたい。   ①ビルブーム・不燃高層アパート建設期…昭和25年に建築基準法が公布され、全国に「ビルブーム」が起こった。一方… [続きを読む]

マンションストック長寿化補助事業への取組み - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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国交省の『マンションストック長寿化補助事業』が、新型コロナ感染拡大の中、昨年応募が締切られ、本年6月末には採択事案の報告がまとめられる。   この事業には、①計画支援型と②工事支援型があるが、私たちの専門チームは①に参加した。計画支援型は、現存する中古マンションの中から、具体的に対象となるマンションを特定し、当該マンションの管理組合の同意と協力を得て、自然科学、建築、設備や不動産評価の専門家で構成されたチームが当該マンションの長寿化に最適かつコスト面で実現可能な提案を行うケーススタディ型の事業である。 &… [続きを読む]

身近に感じた地域の光景の変化 - 鑑定法人エイ・スクエア/田島耕一

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私の住んでいる多摩東部地域では、企業のグラウンドや林地・農地であったようなところを大手不動産会社が開発した分譲住宅地が多くみられます。私の現在の住まいもこういった住宅地の中にあります。ある程度の規模をもつ宅地開発でしたので、この分譲地で一つのコミュニティとして独立しています。   地域内の道路は、ここの住民以外の他地域からの自動車の進入は殆んどなく、子供たちの格好の遊び場所となっています。休日の日中など、子どもたちが楽しそうに遊んでいる声が聞こえてくると、何故だかこちらのほうも朗らかな気持ちになってくるも… [続きを読む]

震災10年後の展望 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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石巻市での仕事の帰途、かねてより震災復興が進んでいるといわれた女川町まで足を延ばした。「女川町復興計画」は震災半年後の平成23年9月に町議会で可決され、その1年後には復興工事に着手するなど、きわめてスピード感のあるものであった。   しがらみの多い地方の町にあって、各世代間、業界、行政の垣根等を超えて新しいまちづくりのコンセンサスが早期に得られたことは驚きでしかないが、これは住民が主体となり、「還暦以上は口を出さず盾となり、次の世代に町の将来を託した」ことが大きな力になったようだ。   減災の視… [続きを読む]

丑年の初めに - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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コロナ禍の終息の動きが見えないまま新年を迎えることになった。この1年で職場の風景は大きく変わり、在席で仕事をしている社員の数が減った。リモートワークが一応定着し、社員が「居ない」ことに違和感を覚えなくなった。   新型コロナウイルスの感染拡大で都心部を離れる動きが数字の上でも裏付けられている。昨年11月1日時点での東京都区部の人口は、前月比で7千700人余り減り、4か月連続で減少した。小平市や府中市などは増加しており、少々通勤時間がかかっても郊外の一戸建に引っ越す人が増えたようだ。   広い自宅… [続きを読む]

地域の分け方 - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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コロナ禍では普段気にも留めないようなことが気になる。8月に始まった「Go toトラベルキャンペーン」から東京都が除外された。東京都町田市に住んでいる人はアウトで神奈川県相模原市に住んでいる人はオッケーだった。この2市は同一生活圏を形成しているのに、危ない地域と大丈夫な地域に分けられてしまったのだ。また、他県からの東京スカイツリーへの旅行は対象外だが東京ディズニーランドへの旅行はお安くなる。確かに、どこかで地域の線引きが必要なのは理解できるが、行政区分で安易に分けることが随分と多いように感じる。   不動産… [続きを読む]

既視感のある水害光景 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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八月の声を聞こうというのに雨が降りやまない。七月初め、熊本県球磨村の特別養護老人ホームの空撮映像は既視感のあるものだった。川べりの介護施設が河川の氾濫で浸水し、避難できなかった高齢入居者の悲劇が毎年のごとく伝えられている。   八代河川国道工事事務所の「球磨川水系洪水浸水想定区域図」を見ると、その老人ホームのある場所は「浸水時5m~10m未満」の想定浸水区域となっている。何ゆえそのような危険な場所に老人ホームを建てたのか?とは誰もが思うこと。しかし、よく考えれば、そのような場所は都会のゼロメートル地帯は言… [続きを読む]

「集積の経済」とリモートワーク - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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ミクロ経済学では、市場に多数の経済主体が参加することにより、市場の中で需給均衡点が求められ、取引される財の価格と数量が決定され、この市場機能によって地球上の稀少な経済資源が最適に配分されるという理論(完全競争市場理論)を土台にして、様々な経済事象を研究して成果を上げてきた。   市場メカニズムの働かないところで経済主体に影響を及ぼす事象の発生を「外部性」と呼び、現実の市場が不完全であることも知られている。   例えば、プラスチック袋が買い物に利用された結果、海洋汚染が生じた場合、この海洋汚染が「… [続きを読む]

大都市と地方の情報「公開」格差 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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仕事柄、全国の自治体を回ることが多い。調査対象の不動産が都市計画法や建築基準法などの規制に適合しているかを役所でまず調査するのである。   近年では役所のホームページを閲覧すれば大概のことは把握できるようになったのは有難いことだが、HPも含め調査した結果の〝満足度〟は大都市圏と地方都市ではかなり異なる。   総じて大都市圏ではこうした行政サービスは質・量ともに充実しているが、地方都市ではHP、窓口いずれにおいても大都市の役所の対応力に及んでいないように感じる。   都市と地方との財政力… [続きを読む]

増える「もったいない不動産」 - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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2018年12月に埼玉県深谷市の閉校となった小学校の体育館とその敷地約1,500㎡の一般競争入札が行われ、なんとマイナス795万円で落札された。   2019年3月には北海道室蘭市の旧福祉センターとその敷地約5,600㎡がマイナス881万円で落札された。いずれも買主による建物解体が条件であり、建物解体費用が土地の価値を上回っていたからである。   大都市の商業地の価格が毎年上昇を続けている一方で、「ただ」でも貰い手のない不動産が増えている。この現象はまず、リゾートマンションから始まった。高額な管… [続きを読む]

消えゆくアーケード - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  五年ほど前、私の住む郊外の駅前通り商店街のアーケードが撤去された。歩道の上だけに架けられているタイプだったが、突然の雨でも多少は救われた。アーケードが好きでその商店街へ買い物に出かけたわけでもないのに、なんとなく寂しい気分になった。   全国各地でアーケードが相次いで撤去されている。理由は維持費の負担に商店会が耐えられなくなったことが一番大きいという。そもそも、アーケードは高度成長時代に商店会が各商店に資金を負担してもらって建築した。当時は儲かっていたから「雨の日も○△商店街でお買い物」の宣… [続きを読む]

経済的耐用年数の判定 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  中古住宅の質に対する情報提供を充実させるべく、専門家が建物の状況を診断するインスペクションが活用され始めている。 建物の今後の耐久性を左右する構造面の損傷具合や設備の劣化状況について、外観目視ではあるが詳細な現場調査により情報を提供するもので、経年にこだわらない実態価値を知る道標になる。これを基に適切な修繕費用等を投下すれば耐用年数を伸ばすこともできるだろう。   では、そもそも建物や設備の耐用年数を判定するにはどうすればよいか?旧大蔵省令による「耐用年数表」では木造の住宅用建物は22年、鉄… [続きを読む]

地価上昇を支えるインバウンド需要(2) - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  最近、新聞が引用した「言論NPO」の日中両国の相互理解に関する世論調査の結果を読んで、意外な感がした。中国に「良くない」印象を持つ日本人の割合は86.3%で高止まりが続いているのに対し、日本に「良い」印象を持つ中国人の割合は42.2%と、調査開始以来の13年間で最も高くなったという。記事のポイントは、「日本を訪れた中国人の7割以上が「良い」と評価しており、訪日客の増加が寄与した。」という辺りにある。   韓国はどうか。2017年時点で訪日旅行客が最も多いのは中国の735万人だが、韓国は714… [続きを読む]

地価上昇を支えるインバウンド需要 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  9月18日に国土交通省から発表された本年7月1日時点での全国の基準地価の報道で、最も焦点が当たっていた言葉は「訪日外国人」ではなかっただろうか。近年、訪日客の需要を見込んで地方でも店舗やホテルの建設が進み、札幌や仙台、広島、福岡などの中核都市では、商業地の地価は昨年比9.2%も上昇した。商業地の地価が上がるということは、そうした土地の収益力の向上を反映していることにほかならない。   日本を訪れる外国人客(インバウンド)は長年低迷していたが、2002年に5百万人を突破してからは、東日本大震災… [続きを読む]

相続対策に有効な信託のツボ - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  信託、その中でも民事信託、なかんずく家族の間の信託がいよいよ動き出してきました。なぜ今、信託なのでしょうか?その背景には超高齢社会があります。   人は誰でも、人生最終のステージとして、意思能力・判断能力が著しく衰えた時期を通過して亡くなるパターンが標準化、一般化したのです。この意思能力・判断応力が著しく衰えた時期こそ、相続対策、相続税対策に関して最も大切な時期なのです。ここで、有効な手が打てなければ、文字通り「座して死を待つ」しかありません。   遺言は死後の話、存命中の最終ステ… [続きを読む]

何階に住むのがお得? - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  テナントビルや賃貸マンションを経営するに当たって、賃料設定に悩まれる方も多いかと思います。基準階賃料をいくらにしたらよいか、共益費をどうするか、敷金や保証金はどうするか等々。これらについては期待する収益の水準はあるものの、賃料相場を調べ、地元精通者の意見も参考に決めることになるでしょう。   次に各階にどのくらいの賃料の差をつけるかも悩みどころです。賃貸借契約は長期にわたる契約となるため、安く貸してしまったからといって、契約更新時等に増額するのは難しいものです。また、ある階の賃料が高すぎて空… [続きを読む]

老人福祉施設とは - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  鑑定評価の対象も時代を反映する。日本の高度成長期、重厚長大型産業の資金調達に関連した大型工場の評価が多かったが、近年では、高齢化社会を反映して老人福祉施設の評価がとみに増えている。今や総人口のうち65歳以上が占める割合は27.2%で、就業者に占める高齢者の割合も10.7%と過去最高となっている。高齢者の活用や介護は社会全体の理解と支えがなくては成り立たない時代、不動産業務に携わる者も、公私共に「介護」に関心を持つ必要があろう。   「介護」は、認知症、在宅介護、施設介護、介護保険制度、食事や… [続きを読む]

動き始めてきた「家族の信託」 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。   さて、一昨年八月と、昨年年明けのこのコラムでは「信託」を取り上げてきました。一昨年が「信託ブレイクの予感」、昨年が「年の初めに考える家族間の信託」でした。予想通り、「家族の信託」が大きなうねりとなって動き始めてきました。昨年お話しした通り、この背景には超高齢社会の到来があります。   誰でも一生の最後のステージは、介護され、意思能力を著しく衰えさせた状態で過ごすことになるのが当たり前になったのです。このため、自… [続きを読む]

デフレの日本経済について – 鑑定法人エイ・スクエア/須藤 鷹千代

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最近の日経新聞の記事ですが、日本の国富が統計開始以来始めて、借金が資産を50兆円上回るとの報道ありました。
この理由は国債の発行が増え、土地価格が下落したことと分析されておりました。国富の半分以上が土地資産である以上、当然ですよね [続きを読む]

高齢化社会を睨んだオフィスの用途転換-鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  今年の新成人は全国で124万人とのことで、「団塊の世代」の最後の年-1970年の新成人247万人の丁度半数に当たる。ここまで少子化が進んだことに愕然とする一方、「団塊の世代」が65歳を迎え、ビジネスの現場からほぼ完全にリタイアするまであと3年といわれると、高齢化社会の到来に現実味を感じる。   退職者が増加する反面、新卒者は大幅に減り、更には円高による国内産業の空洞化で“社会減”も進行している。あれやこれや考えると、働くスペースはこれから少なくて済むはずだが、現実の動きはその逆だ。東京ではオ… [続きを読む]

公益法人制度改革と鑑定評価 ― 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  公益法人制度は明治 29 年の民法制定時に創設されて以来、100 年以上も抜本改革されずに来ました。そのため、全国に約2万5千あるといわれる公益法人の中には、世の中の変化に対応できなくなっているケースも散見される等、“制度疲労”が顕在化しています。平成 20 年 12 月に「新公益法人制度」が施行されたことにより、新たな社団や財団の設立に向けて、既に約40%の旧公益法人が移行申請済で、うち約8,700法人が手続きを完了しています。申請期限は平成25年11月末ですので、これから申請の最終段階に入っていく… [続きを読む]

道路上に張り出している樹木・竹林の伐採 - 幸﨑不動産鑑定士事務所/幸﨑 任宏

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  青葉・若葉が眩しい時期、道を歩いていると、アパートや一軒家の植え込みから公道に伸びてきた植物をよく見かけます。蔓などはそれほど障害にはなりませんが、樹木・竹林・プランター等が張り出していたり、枯れ木や折れ木ともなると歩道が狭くなり、車を避けにくくなるなど非常に危険です。これらの伐採・枝払い等の管理は、土地所有者が行う必要があります。   伐採作業を行うとき、電線や電話線等が近くにある場合は、気をつけて作業を行なう必要があります。危険を伴う場合は、事前に最寄りの電力会社またはNTT等に連絡し、… [続きを読む]

工場財団のメンテナンスと新たな活用(その1) - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  最近、立て続けに3件の「工場財団のメンテナンス」についての相談を受けた。 一つは、工場財団組成済みの古い工場を購入し新工場を増設したが、古い工場の土地・建物・工作物・機械器具等を含めて、担保評価換えを行って銀行借り入れを増やしたい。二つ目は、М&Aを行ったが、被合併会社に減損の兆候あり、土地の再評価を行いたい。三つ目は、工場を売却したいと思っているが、工場財団目録等の整備をここ十数年間行っておらず、実態と合っていないがどうしたらよいか…というものである。   工場財団については、バブル崩壊以… [続きを読む]

工場財団のメンテナンスと新たな活用(その2) - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  前回に引き続き、「工場財団のメンテナンスと新たな活用」について述べてみたい。 先般、工場財団を評価させていただく機会に恵まれた。それは、工場財団組成済みの異業種の工場を購入し、時代の先端を行く製品の工場を新・増設したが、旧工場の土地・建物・工作物・機械器具等も含めて、担保評価替えを行って銀行借り入れを増やしたいということだった。その工場は、大手ゼネコンの施工による堅固な建物で、前会社の工場再編で不要となったものを割安な価額で買受けたものだった。今回の新工場増設に伴い行った評価替えにより、既存の工作物・… [続きを読む]

回復軌道に乗った三大都市圏の地価 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  3月18日に発表された公示地価は、三大都市圏の商業地では6年ぶりに上昇に転じ、デフレ収束を告げるものとなった。住宅地も、大阪圏は▲0.1%ではあったが、東京圏(1.4%)、名古屋圏(1.1%)とも昨年までの水面下から抜け出した。三大都市圏の商業地の地価は、08年のリーマンショックで大きく落ち込み、その後の回復度合いも住宅地より劣後していたが、一昨年12月の政権交代直後から急速に上昇テンポを速め、遂に今回、住宅地の上昇率を大きく上回った。とりわけ、東京都の商業地は、2.3%の上昇で際立っている。全国の地… [続きを読む]

台湾人の不動産投資事情 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  6月下旬に台北市で開かれた「第2回沖縄・台湾不動産鑑定フォーラム」に参加した。20年以上前になるが、筆者は同地に2度にわたり長期滞在したことがあり、久しぶりに故地の変化を垣間見ることができた。同時期に前後して駐在した北京では、現在では空港から車に1時間近く乗っても、当時見慣れた建物を見つけるのは難しいが、台北では空港を出れば以前とほぼ同じ景色が広がっている。地下鉄や新交通システムにより利便性は向上したが、都市の“骨格”は大して変わっていない。九州とほぼ同じ面積ながら、人口密度は倍以上という台湾は、今で… [続きを読む]

増改築や修繕を反映させる鑑定評価基準の改正 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  不動産鑑定評価基準が改正され、11月1日より施行された。改正の背景には、不動産市場をとりまく「状況の変化」があり、それは①不動産市場の国際化の進展 ②ストック型社会の進展 ③証券化不動産の多様化の3点に集約されている。ここでは、②について、特に建物評価についての問題点について、デューデリジェンス及び鑑定の現場での体験を踏まえて考えてみたい。   日本で不動産の流動化が始まってから15年ほど経つ。一旦所有すれば殆んど“動かない”ものであった土地・建物を、証券に化体させて動かす(流通させる)とい… [続きを読む]

「銀座」百景 - 鑑定法人エイ・スクエア/畠山文三

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  3月18日に発表された本年1月1日時点の公示地価では、全国で最も高額な地点は銀座4丁目の「山野楽器銀座本店」で1平方㍍当り3,380万円。この1年間で14.2%上昇した。高額地点上位5位のうち4ヶ所が「銀座」で、その“実力”には改めて驚かされる。商業地の地価が高いということは、収益力が高いということにほかならない。三越伊勢丹ホールディングスが発表した2月の売上高速報によると、旗艦店といわれる新宿、日本橋、銀座の3店の中で、銀座店の売上げが前年同月比25%増と最も高かったようで、2月の春節時期に限らず、… [続きを読む]

少子高齢化と人材育成 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  外食産業などサービス業の人手不足が深刻化している。理由としてよく言われるのが、少子高齢化による生産年齢人口の減少だ。2014年時点で、団塊世代が含まれる65歳以上層の就業者数は681万人であり、全体の10.7%を占める。この層に続く世代では、55~64歳層が1,152万人、45~54歳層が1,360万人、35~44歳層が1,514万人、25~34歳層が1,152万人であり、団塊世代の退出がもはや終ろうとしている現在、各企業において、円滑な技能継承の仕組みを整えていくことは喫緊の課題となっている。 &n… [続きを読む]

“とりあえず共有”した相続物件の売却 - 鑑定法人エイ・スクエア/幸﨑任宏

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  現在92歳になる義母が5年前に相続した空家とその敷地は7人の共有になっており、固定資産税の負担按分等、管理が煩わしいので、早く売って欲しいとの相談を受けていた。その土地は、水路に橋を架けて公道に出入りするため、売るには難しい物件だったが、幸い、隣地の所有者と共同で両土地を併せて一括地として売却活動をしたところ、道路接面状況の改善が図れ、成約にこぎ着けることができた。   本件は、売主である7名の共有者のほとんどが高齢で、二次相続も発生していた。高齢の共有者ばかりだと、売却を進めていく上での意… [続きを読む]

年の初めに考える家族間の信託 - 鑑定法人エイ・スクエア/澁井和夫

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  新年明けましておめでとうございます。鑑定法人エイ・スクエアも一つ歳を取り、数えで17歳になりました。   昨年は、「家族の信託」が多くの人の興味を誘い、信託の新しい波が全国に伝わったと思います。この背景には、超高齢社会の進展があることは間違いありません。老老介護という言葉がありますが、財産の管理運用の世界でも、同様なことが起こり始めています。賃貸アパートの家賃収入で老後のゆとりを確保する一方、貸家建付地、賃貸事業用小規模宅地の評価減を活用した相続税対策を企図したものの、必要十分なメンテナンス… [続きを読む]

地図との付き合い - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

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  不動産鑑定に携わっていると、様々な地図と付き合うことになります。まず、対象不動産の場所、位置などを特定するため住宅地図やネットの地図を使うことに始まり、現地に行くときにはスマホを持ってという具合です。物件を特定するといえば公図も欠かせません。ところがこの公図、あたかも実測図のように見えますが、昔はボロボロの和紙に筆で書かれており、分筆のたびに朱線で書き込まれていたりします。いわゆる旧土地台帳付属地図です。各筆の位置関係は把握できますが、実測図とは似て非なる物です。内容に漏れがある場合もあり、方位が東西… [続きを読む]

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