菅原健
いまNOW
今年の正月も普段は滅多に行かないのに初詣に出かけた。その際ふと思ったのですが、不動産取引や建築行事には縁起を担ぐことがなんと多いことか。 土地を買うときにカラ井戸があればお祓いをしてから埋める方もいます。建築に掛かるときの「地鎮祭」(土地の神様の気持ちを鎮める儀式)や、上棟式、竣工式の時などには神主さんにお祓いをお願いしたりする。 そして、これら建築に係る儀式は暦を見て「三隣亡(さんりんぼう)」の日は避けるべしと言われます。 元々は「三輪宝」といって「建てるに良し」とされる… [続きを読む]
2020年2月20日
いまNOW
コロナ禍では普段気にも留めないようなことが気になる。8月に始まった「Go toトラベルキャンペーン」から東京都が除外された。東京都町田市に住んでいる人はアウトで神奈川県相模原市に住んでいる人はオッケーだった。この2市は同一生活圏を形成しているのに、危ない地域と大丈夫な地域に分けられてしまったのだ。また、他県からの東京スカイツリーへの旅行は対象外だが東京ディズニーランドへの旅行はお安くなる。確かに、どこかで地域の線引きが必要なのは理解できるが、行政区分で安易に分けることが随分と多いように感じる。 不動産… [続きを読む]
2020年10月20日
いまNOW
長く不動産業界に身を置いていると、面積は「坪」でないとどうもしっくりこない。しかし、メートル法を採用している我が国では公式文書で面積を坪のみで表すことはできない。鑑定評価書においても単価は1㎡あたり○○円と表記されるのだが、これが私には困りもので一々「坪」に換算しないと気が済まない。私の場合、土地単価は勿論、賃料単価、建築単価、マンション分譲単価等々においてその価格が妥当であるかどうかの直感的な判断は「坪単価」でないとできない体質になってしまっているため、電卓が手放せない。 先月東京ドー… [続きを読む]
2016年10月20日
いまNOW
2018年12月に埼玉県深谷市の閉校となった小学校の体育館とその敷地約1,500㎡の一般競争入札が行われ、なんとマイナス795万円で落札された。 2019年3月には北海道室蘭市の旧福祉センターとその敷地約5,600㎡がマイナス881万円で落札された。いずれも買主による建物解体が条件であり、建物解体費用が土地の価値を上回っていたからである。 大都市の商業地の価格が毎年上昇を続けている一方で、「ただ」でも貰い手のない不動産が増えている。この現象はまず、リゾートマンションから始まった。高額な管… [続きを読む]
2019年9月20日
いまNOW
五年ほど前、私の住む郊外の駅前通り商店街のアーケードが撤去された。歩道の上だけに架けられているタイプだったが、突然の雨でも多少は救われた。アーケードが好きでその商店街へ買い物に出かけたわけでもないのに、なんとなく寂しい気分になった。 全国各地でアーケードが相次いで撤去されている。理由は維持費の負担に商店会が耐えられなくなったことが一番大きいという。そもそも、アーケードは高度成長時代に商店会が各商店に資金を負担してもらって建築した。当時は儲かっていたから「雨の日も○△商店街でお買い物」の宣… [続きを読む]
2019年6月20日
いまNOW
テナントビルや賃貸マンションを経営するに当たって、賃料設定に悩まれる方も多いかと思います。基準階賃料をいくらにしたらよいか、共益費をどうするか、敷金や保証金はどうするか等々。これらについては期待する収益の水準はあるものの、賃料相場を調べ、地元精通者の意見も参考に決めることになるでしょう。 次に各階にどのくらいの賃料の差をつけるかも悩みどころです。賃貸借契約は長期にわたる契約となるため、安く貸してしまったからといって、契約更新時等に増額するのは難しいものです。また、ある階の賃料が高すぎて空… [続きを読む]
2017年4月20日
いまNOW
不動産鑑定に携わっていると、様々な地図と付き合うことになります。まず、対象不動産の場所、位置などを特定するため住宅地図やネットの地図を使うことに始まり、現地に行くときにはスマホを持ってという具合です。物件を特定するといえば公図も欠かせません。ところがこの公図、あたかも実測図のように見えますが、昔はボロボロの和紙に筆で書かれており、分筆のたびに朱線で書き込まれていたりします。いわゆる旧土地台帳付属地図です。各筆の位置関係は把握できますが、実測図とは似て非なる物です。内容に漏れがある場合もあり、方位が東西… [続きを読む]
2016年2月20日