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復活する日本唯一のホーバークラフト - 長嶋不動産鑑定事務所/土師一弘

大分市と大分空港(大分県国東市)を結び、平成22年10月に運航を終了したホーバークラフトが本年度内を目途に復活することになりました。ホーバークラフトとはプロペラを利用し空気を水面および陸上に噴出し、船体を浮上させて高速で走行する水陸両用の乗り物です。

 

復活する日本唯一のホーバークラフト

※大分県より写真提供

当時のホーバークラフトは、大分市から国東町(現国東市)に空港が移転した昭和46年に運航を開始しました。ピークの平成2年度には約44万人が利用していましたが、平成15年以降は30万人程度に減少、さらに世界的な景気後退が重なり乗客が減少していきました。それに加え、平成14年に大分空港が大分自動車道と接続すると、陸路(バス)で大分市内から約1時間で移動できるようになったため、ホーバークラフトの優位性は低下していきました。そして、平成21年に運航を終了したため、国内のホーバークラフトは見納めとなりました。

 

その後、①コロナ禍までのインバウンド効果により、空港利用者が年間200万人を越え、バスのみの運行では人の移送に限界が見えつつあったこと、②ビジネス客を中心に他の国内主要空港と比較した場合のアクセス改善を求める声が上がったことなどから、海上交通が見直される機運が高まりました。そこで県では、空港までの新たな交通機関として海上交通の検討に入り、ホーバークラフトと高速船を比較検討の上、導入に要する期間と費用の観点から、新たな港湾施設の整備が不要で既存施設を利用できるホーバークラフトの復活を決定しました。

 

運営形態は上下分離方式が採用されます。これは、県が船舶を購入し貸与するとともに発着地を整備し、運航事業者は運航に伴う人件費、燃料費、船舶修繕費などを負担する方法です。運航距離は約30km、所要時間は約30分を予定しています。以前と異なるのは、三井造船が既に製造を撤退しており、国内にはホーバークラフトを製造する会社が無くなったため、船体はイギリスの造船会社から3隻を購入します。運航事業者は第一交通産業に決定しています。

 

これにより、空港利用者は、空港までの時間短縮が期待できる外、交通機関の選択肢が増え旅の楽しみが広がります。また、世界的にホーバークラフトの定期航路は非常に珍しく、イギリス本土とワイト島を結ぶものが世界で唯一と言われています。したがって、珍しい交通機関に乗りたい人が国内外から来県することによる経済効果やその人達との交流も期待できそうで楽しみです。

 

長嶋不動産鑑定事務所

不動産鑑定士 土師 一弘

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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