日本の伝統文化の「茶の湯」―評価コンサルオフィス・ケン/桂 健二
日本の伝統的文化のひとつに茶道があります。そのほかに華道、書道、香道などがありますが、茶の湯を楽しむときに、お茶室の床に花入れ(華道)、掛物(書道)、香炉(香道)があり、これらを拝見することによりそのすべてに係わることとなります。
私も伝統文化に触れてみたくなり、古稀を過ぎてから「茶の湯」を学ぼうと裏千家の初心者お茶教室に参加しました。
現在、日本では2020年の東京オリンピック開催のため(だけではありませんが?)に観光立国を目指して、内閣を挙げて「観光特区」「民泊」等諸々の施策を行っており、観光庁によれば、訪日外国人客がこの10月で初めて年間2000万人を突破したことが報じられました。では、「おもてなし」として何がどうなるのでしょうか?ホテル業界では日本文化をモチーフして「和」のお出迎え、ユニフォームを和服に、「お城、桜・・・お茶」という「体験型の「和」の宿泊を目途としたホテルが完成してきています。このような「設備からのおもてなし」も必要でしょうが、「人としてのおもてなし」がより必要ではありませんか?
と云うわけではありませんが、裏千家初めてのお茶教室6か月間に通い始めました。
15名の仲間と共に学び始めました。私が最年長、男性4名、ご婦人方は20歳台から私の年齢未満で家庭の主婦、会社員、フリーランス、学校の先生、ボランティア学芸員、貿易商社マンなどなど、多士済々の人達です。教室参加のきっかけは、私のように「見よう見まね」で「お茶のまねごと」をするのなら、一度習ってみようという単純な思いではなく、自分で茶の湯の亭主をしたい、日本伝統文化の三道である茶道、華道、書道を習いたい、美術館等で茶道具を観るにつけ茶の湯を習いたい等々目的意識のある人達です。
お茶の先生方は、礼から始まり互いの思いやりを中心に、一期一会のお茶会の作法を丁寧に、かつ「習うより慣れる」だけでなく、理解し学べるように実地に指導してくれました。
古稀の生徒である私にとって、すばらしい先生方に巡り合えたもの(本当に一期一会)と感謝しています。しかしながら、不肖の生徒である私は茶の湯の楽しみをこれから日常の生活のなかに少しでも取り入れることができたら良いと思う次第です。
観光立国をめざす日本に在って、個人的にも日本の伝統文化の茶の湯を識ることは、どこか「不動産鑑定評価作業」を満足に行えたときに味わえる一期一会の精神に似通ってはいませんか。
なまるとは 手つづき早く又おそく ところどころのそろはぬをいふ
(利休百首のうちの一首)
以上
評価コンサルオフィス・ケン
不動産鑑定士 桂 健二
株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)
TAGS: 桂健二・茶の湯・茶道・評価コンサルオフィス・ケン | 2016年12月20日