「3」と云う文字で表される事柄について - 評価コンサルオフィス・ケン/桂健二
2013年は政治、経済とも日本が徐々に上昇気流に乗りつつある1年でした。また、国政を司る人たち(の能力次第)により、これほど国民生活が翻弄されるものだということが実感できた年でもありました。「デフレ経済は悪くない」なんて誰が言ったのでしょうか?国家経済に及ぼす力が大きい「日銀の施策」が海外の「中央銀行の施策」とかけ離れていたのは何故でしょう。なにはともあれ、自民党中心の「安倍内閣」による「アベノミクス」「3本の矢」が実行されていくことが望まれてなりません。
「3本の矢」とは①金融緩和(日銀の公社債等の市場買い入れなど)、②財政出動(公共事業の投資)、③成長戦略(国家戦略特区、経済特区の設置、規制緩和を特区で行って投資を集中させる)と公表されています。①、②の矢は2013年度で着実に実行されていますが③の矢は今年からでしょう。大幅な規制緩和を含む地域の経済特区への投資は官民連携のインフラファンド(PPPとPFI事業)の取り組みが期待されます。
不動産鑑定評価方式の「3方式」は言うまでもありませんが、J-REITの投資対象となる不動産も大きく分けて「3種類」といえます。具体的には①オフィスビル、②レジデンス(住居)、③ホテル・商業施設、物流施設です。また、アベノミクスの第③の矢に関連する「インフラファンド」の投資対象資産の中で「鑑定評価対象」となる投資事業があると考えられます。J-REITの投資対象が4種類、5種類と増加していくこと(税務上の緩和)が望まれます。
人の生活面からも、城山三郎が、人間の「生き残りの条件」とは「3本の柱」であると述べています。人間を支える柱は3本あり、その柱がしっかりと立っていなければなりません。
それは①「セルフSELF」と②「インティマシーINTIMACY」と③「アチーブメントACHIEVEMENT」の3本柱です。
① は自分だけの世界、趣味、思索、信仰など「個だけの世界」を創生すること。
② は親近性、家族、友人など親しい人たちとの関係により支えられること。
③ は目標を立てて達成すること、ビジネスでも趣味の世界でも何でもよろしい。
この三つが人間を支える大きな柱です。3本の柱をバランスよく太く、充実させておけば、万が一、一本の柱が揺れ動いたりした時でもあと2本が支えてくれます。
人間としての「生き残りの条件」がこの「3本の柱」の充実であり、この柱を太くするためには、肉親を愛し、よき友人を持ち、よき趣味を持ち、文学や芸術を通して自分だけの世界をも豊かにしておくことが肝要と述べています。
新年にあたり、「3」と云う文字から取りとめのない事柄を述べましたが、常に「3本の柱および3本の矢」を念頭に「良き年」になることを祈念いたします。
評価コンサルオフィス・ケン
不動産鑑定士 桂 健二
株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)
TAGS: 3本の矢・JREIT・桂健二・評価コンサルオフィス・ケン | 2014年1月20日