雁木造 - 新潟県上越市直江津駅前 -
今年は11月中旬に寒波が襲来したが、その後は比較的過ごしやすい日が続いている。雪国直江津にもまだ雪はなく、明るい太陽が眩しかった。
雪国=雁木という連想になるのは、その昔、教科書で習ったことが染み付いている世代のゆえか。同じ上越市でも高田地区には総延長が16kmもの雁木が現存しているとのことだが、それに比べ、直江津地区の雁木は、商店街の衰退と歩調を合わせるかのように殆んど見られなくなっている。
「直江の津」は、上杉謙信の時代には、その居城である春日山城下と併せれば、京都に次ぐ人口を有していたとのこと。その後も江戸時代は北前船の寄港地として、明治以降は北海道や大陸からの輸出入港として栄えたため、観光の見所はそこそこ多い。しかし、点だけではなく、「面」の観光資源たる雁木のアーケードが駅を降りて迎えてくれるなら、お金持ち世代の“連想ゲーム”の答えにマッチし、期待感は盛り上がる。道を広げ、箱モノ造りにお金を使うより、昔のままの道に雁木造りを残すためにお金を使ってくれた方が町の観光振興につながると思うのだが。