不来方のお城 - 盛岡市盛岡城跡公園 -
「不来方のお城の草に寝ころびて空に吸はれし十五のこころ」
金田一京助博士の筆による石川啄木の歌碑が色づき始めた樹々の下に佇んでいた。啄木は授業から抜け出して、不来方城二の丸のこの地で、文学書や哲学書を読み昼寝の夢を結んだと説明文にある。
「空に吸はれし十五のこころ」の清新さは、誰でも自分のその頃と重ね合わせると理解できるのではないか。樹々の間から覗く「空」を見上げながら、わが青春の入口の頃をしばし想う。
この城跡の公園には宮澤賢治の詩碑も建っており、二人の偉大な東北人の感性に圧倒される。