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貸ビルは節税対策の宝庫である(その1) - 横須賀不動産鑑定事務所/横須賀 博

 

昭和30年代半ばに税理士の資格を取得した私は、税務相談を主業としていたが、月毎に相談件数も増え、先行きの見通しに明るさが見えてきた。そんなある日、土地分譲の広告を目にしたことから、現地見学会に参加した。都市の人口が増加する中、地価の値上がりは容易に理解された。そのために税務相談で得られた利益の大半を分譲地の購入資金に投入した。当時の土地の分譲は月賦販売が主流であり、銀行からの借り入れも容易であったため、名のある地域の分譲地数か所を比較的容易に購入することができた。なお、私はその分譲地の中でも最も高い東南の角地を中心に購入した。換金が速く、富裕層を転売のターゲットとして狙えるためであった。

 

そんなある日、ふと頭をよぎったのは、土地を更地のまま所有していても評価益は未実現の利益であり、何の果実も生まない。果実を生む「貸ビル」を購入して毎月の賃料を手にすることが、家族を守る道ではないか、我が家の後継者は女性二人であることから、競争社会で生きるための安全弁となりうるのは「貸ビル」の保有が一番と判断した。そうしたことから、手持ちの分譲地の全てを換金し、税法の買換え特例を活用して貸ビルを所有する計画を立てた。先ずは立地の選定をと考えたが、土地を購入して建物を建築するとなると、土地の購入資金、建物の建築資金とも建築期間中は何の利益も生まない。それでは分譲地の処分代金だけでは資金不足を招く。それに銀行からの借入金は利息負担が重い。むしろ、現に賃貸中で家賃が即座に入る貸ビルを購入すれば、購入の翌月から収入を得られ、無駄にならない。

 

加えて、貸ビルには多額の保証金なり、敷金が預託されていることから、それを引き継げば、売買の際の正味の支払額はその分少なくて済むことなどを思考した。そして、選ぶからには悔いのない物件を選ぶべきと銀座のある物件に目を付けた。敷地は広くはないが、建物は名のある建設会社によって建築されたものであった。銀行と相談した結果、貸ビルの取得に異議はないが、個人経営では信用しにくいことから、会社経営に切り替え、「貸ビル」を本業とすべきとのアドバイスを受け、家族全員等が株主となって株式会社を設立、税務相談と貸ビル業を兼業することになった。

 

その後、昭和42年からは不動産鑑定士の資格を得たことから、職員も増やし多忙を極めた。しかし、時代はやがてバブル崩壊を迎えることになる。それは、「貸ビルは節税対策の宝庫である」との認識を得る契機ともなった。(以下、来月の本欄に続く。)

 

株式会社 横須賀不動産鑑定事務所

税理士・不動産鑑定士 横須賀 博

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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