記事一覧
いまNOW
昭和30年代半ばから税理士を本業としていた私は、銀座の貸ビルの取得を機会に家族全員が株主となって株式会社を設立、貸ビル業も兼業することになった。昭和42年には不動産鑑定士の資格も得て、その後も貸ビル事業を拡大すべく、銀行借り入れによって新たな貸ビルを取得した。バブル崩壊により、銀行からは融資引き締めや繰り上げ返済の要請もあったが、個人財産を処分して、どうにか貸ビル事業を継続することができた。その後、不動産価格は右肩下がりを続けたが、貸ビルはその時代に見合った賃料を得ることができ、相応の法人税の支払いは… [続きを読む]
2013年3月21日
いまNOW
昭和30年代半ばに税理士の資格を取得した私は、税務相談を主業としていたが、月毎に相談件数も増え、先行きの見通しに明るさが見えてきた。そんなある日、土地分譲の広告を目にしたことから、現地見学会に参加した。都市の人口が増加する中、地価の値上がりは容易に理解された。そのために税務相談で得られた利益の大半を分譲地の購入資金に投入した。当時の土地の分譲は月賦販売が主流であり、銀行からの借り入れも容易であったため、名のある地域の分譲地数か所を比較的容易に購入することができた。なお、私はその分譲地の中でも最も高い東… [続きを読む]
2013年2月20日
スクエア(方形)のある風景
かつて「長崎奉行所」があった地に建つこの瀟洒な博物館には、江戸時代から近代にかけての海外交流に関する展示がされ、膨大な資料も保存されている。 鎖国の時代、唯一の貿易窓口であった長崎には、オランダや中国の学問や文化を学ぶべく延べ1千人を超える学究が赴いた。その半数以上は緒方洪庵や前野良沢のように西洋医学の修得を目的としていたようだが、医学に限らず、長崎で習得した技術や知識はその後の日本の近代化に向け大きな力になったことは疑いない。 博物館内には、勝海舟、榎本武楊、大村益次郎、福沢諭吉、大隈… [続きを読む]
2013年2月6日
いまNOW
不動産鑑定士が評価する対象は主に土地及び複合不動産(土地建物)が多いが、近年は需要の多様化により建物単独の鑑定評価が注目されている。 中古建物を時価評価して取引価格や融資額の指標とし、中古建物市場の円滑化、活性化を図ろうという趣旨である。これはごく基本的な需要なのだが、今更のように感じるのはこれまでのわが国の建物に対する社会の認識がスクラップ&ビルド方式の上に立っており、建物を補修しながら数十年単位の長期間にわたって使用するという発想に乏しかったためかもしれない。 1.中古建物評価の新手… [続きを読む]
2013年1月21日
スクエア(方形)のある風景
小河内ダムのある奥多摩湖の湖面が冬の日差しに揺れている。 小河内ダムは昭和13年に着工し、戦中の中断期を経て昭和32年に完成した。ダム直下には発電所もあるが、多摩川水系における東京の重要な水がめで、貯水量185百万㎥を誇る。他の水系での水源開発が進んだことで、小河内の位置づけはやや低下したとはいうものの、湖面に映る姿は55年前と変わらないはずだ。 笹子トンネル事故を契機に、老朽インフラの問題がクローズアップされている。高度成長期にはこうしたダムをはじめとする多くのインフラ施… [続きを読む]
2013年1月4日
いまNOW
借地借家法は平成4年8月に施行されましたので、定期借地権(一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権)は今年で丁度、生誕20周年を迎えたことになります。人間にたとえるならば、成人式を迎え、親元を離れ、自他共に大人の仲間入りを果たしたことになります。 当社の事務所がある東村山市では、都営住宅跡地で280戸に及ぶ戸建定期借地権分譲が実施されたり、また、郊外ではあまり目にしない定期借地権付のマンション分譲があったりと、定期借地権がより身近な存在に感じられます。ここでは、それぞれの定… [続きを読む]
2012年12月20日
いまNOW
今年の夏も猛暑だった。8月下旬、高校生の娘が学校のプールを楽しみに登校して行ったが、プールはなかった。「セシウムが出たから」。どうやら前日の夕立が影響したらしい。セシウムが雨で流され移動することは周知だ。少しでも検出されればプールは中止となる。聞けばクラスの女子の半分以上が放射能のセシウムを嫌がって、プールは「見学」と決めているそうだ。福島県は県医大の協力を得て18歳以下の子供たちの内部被爆検査を実施している。来春の卒業を控えた高3女子から優先的に検査が行なわれた。結果は全員ND(=Not Detec… [続きを読む]
2012年11月20日
スクエア(方形)のある風景
榛名山系の標高1,000mの高原にあるメガソーラー発電所の入口。後日登った近くの水沢山の山頂(標高1,194m)からは、ソーラーパネルが青く輝き、「天空の湖」と称しているその光景が俯瞰できた。 本年7月1日より始まった再生エネルギーの固定価格買取制度にあわせ、ソフトバンク子会社が榛東村の村有地を賃借して建設した(年間発電量約268万KW)。村には地代として売電収入の一部が入ってくるようで、広大な村有地が「無から有」を生むことになった意義は大きい。 全国には、塩田跡や休耕地な… [続きを読む]
2012年11月1日
いまNOW
私の会社は総勢十人程の小さな不動産鑑定事務所である。 そこの社長を務める私が、「大家の悩み」を持つことになるとは! 事の始まりは、私も出資者の一人である合同会社が東広島市の中心市街地活性化事業の基本構想づくりを受託したことからはじまる。東広島市の西条は、兵庫の灘、京都の伏見と並び称される銘醸地のひとつであるが、その基本構想の中に「酒蔵通り」活性化のための「駅前屋台村」の建設運営事業があった。 平成二十年六月に八人の共同出資と市内六行の協調融資による借入れを原資… [続きを読む]
2012年10月20日
スクエア(方形)のある風景
「地上450mの空中散歩」をするには更に千円と“忍耐”が必要だが、天望デッキより100m高い異空間では、昼より夜のほうが感度が増す。 写真は東南方向、荒川の河口、葛西臨海公園から東京湾を隔てて千葉の木更津方面を一望する。 子供から大人まで、日本人も外国人も、昼でも夜でもという見事な「吸引力」を持つ施設が元は車両基地であったことを思うと、都市や地域の発展には知恵を絞ってふさわしいものを造り、残すべきものは残しておくことの重要性を痛感する。 春の終わりにオープンし… [続きを読む]
2012年10月1日
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