記事一覧
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長く不動産業界に身を置いていると、面積は「坪」でないとどうもしっくりこない。しかし、メートル法を採用している我が国では公式文書で面積を坪のみで表すことはできない。鑑定評価書においても単価は1㎡あたり○○円と表記されるのだが、これが私には困りもので一々「坪」に換算しないと気が済まない。私の場合、土地単価は勿論、賃料単価、建築単価、マンション分譲単価等々においてその価格が妥当であるかどうかの直感的な判断は「坪単価」でないとできない体質になってしまっているため、電卓が手放せない。 先月東京ドー… [続きを読む]
2016年10月20日
いまNOW
前回述べた如く、市川市の住宅地は「市川地区」「八幡地区」「中山地区」「行徳地区」に分けられる。市川市には文化人も多く在住し、「八幡地区」は永井荷風、「中山地区」は東山魁夷ゆかりの地である。各地区の代表的な平成28年地価公示地は、「市川地区」市川-35(菅野1丁目)331千円/㎡、「八幡地区」市川-34(八幡4丁目)316千円/㎡、「中山地区」市川-11(中山2丁目)213千円/㎡、「行徳地区」市川-33(福栄1丁目)255千円/㎡等が挙げられ、「市川」と「八幡」、「中山」と「行徳」とで拮抗している。 … [続きを読む]
2016年9月20日
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私が長年地価公示業務を担当してきた千葉県市川市。その歴史と地価との関わりについて、2回に分けて述べてみたい。 市川市の歴史は古く、定住性の高い集落が営まれ始めたのは縄文時代。市内各地には縄文時代の貝塚(姥山(うばやま)・向台(むかいだい)・曽谷(そや))が所在し、土器も多く出土している。その後、大化の改新により大和政権のもと下総国府・国分寺が置かれ、現在も「国府台(こうのだい)」の地名として残っている。市川市の現在の住宅地はおおまかに①市川地区②八幡地区③中山地区④行徳地区の4つに分けら… [続きを読む]
2016年8月20日
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4月14日午後9時26分、熊本市街地の和食店の地下1階で講演会の打ち上げの乾杯が終わり、「さあ、食べよう」と刺身に醤油をかけているその時でした。「バシッバシッ」とすごい音がし、店舗が上下左右に大きく揺れました。このまま倒壊し、埋まって死ぬのではないかと思った程でした。私の古びた背広も醤油をいっぱいかぶってしまいました。地上では、消防車、救急車のサイレンが響き渡っていました。これが、当初、本震と言われた「前震」です。 4月16日午前1時25分、マンション7階で熟睡していた時、ベッドがドーン… [続きを読む]
2016年7月20日
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初めて不動産の仕事を担当したとき、まず現地調査の研修から始めました。旧林野庁やJRなどの退職者で不動産調査専門の人たちが職場には居て、その方々に先生になってもらいました。私の先生になってくれた人は旧道路公団を退職した人でした。先生は現地調査に行くとき、私に「塩を小袋に入れて持って来るように!」と指示しました。「塩?」なぜだか分からないまま、塩を入れたビニール袋を持っていきました。先生は現地に着くと、塩を一つまみ撒いてから土地に踏み込みました。「なぜそういうことをするのか?」と問うと、「土地には長い歴史… [続きを読む]
2016年6月20日
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このところ、世情が慌しく、はなはだ勝手ではありますが、近年、自己の生活圏を狭めてきているのではないかと、若干の不安とともに悔しさを噛みしめています。 そんな状態で、せんだって、ある講演会に参加、国際情勢の変化と中東情勢、難民問題の解説を聴くこととなりました。ヨーロッパ各国に押し寄せるシリア難民問題とフランス、ベルギーでのテロ発生と海外が大変な状態になっています。また、国内では、阪神淡路震災、東北震災に続いて熊本地震が発生、被災地の大変な状態が刻々と報道されています。 このた… [続きを読む]
2016年5月20日
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「金沢」というのはあまり話題になったことがない都市だと思います。日本海側でひっそりと江戸情緒を残す、雪の似合う町。そういうイメージでしょうか。人口は46万人しかいません。 そうした地が、昨年の3月、北陸新幹線が開業したことによって白日の下にさらされることと相成りました。4時間かかっていた東京との間を2時間半で結ばれたことで、気軽に関東の観光客が押し寄せました。その観光客の中で、インバウンドは1割程を占めます。北陸新幹線開業以来、金沢駅前でやたらと外国人の姿が目につくようになりました。兼六… [続きを読む]
2016年4月20日
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皆さんは大分県といえば何を想像しますか? 関アジ、関サバといった美味しい魚でしょうか。でも、別府・湯布院に代表される「温泉」を想像する人も多いのではないでしょうか。 環境省の「環境統計集」によると、平成26年3月末現在の大分県の温泉源泉数は4,411、湧出量は毎分28万6千リットルでいずれも日本一です。 単純温泉・二酸化炭素泉をはじめ、殆んどの種類の温泉が楽しめる大分県は、まさに「温泉天国」「温泉県」なのです。 では、温泉の「価値」はどのように判断するのでしょうか。我々大分県にいる不動産… [続きを読む]
2016年3月22日
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不動産鑑定に携わっていると、様々な地図と付き合うことになります。まず、対象不動産の場所、位置などを特定するため住宅地図やネットの地図を使うことに始まり、現地に行くときにはスマホを持ってという具合です。物件を特定するといえば公図も欠かせません。ところがこの公図、あたかも実測図のように見えますが、昔はボロボロの和紙に筆で書かれており、分筆のたびに朱線で書き込まれていたりします。いわゆる旧土地台帳付属地図です。各筆の位置関係は把握できますが、実測図とは似て非なる物です。内容に漏れがある場合もあり、方位が東西… [続きを読む]
2016年2月20日
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新年明けましておめでとうございます。鑑定法人エイ・スクエアも一つ歳を取り、数えで17歳になりました。 昨年は、「家族の信託」が多くの人の興味を誘い、信託の新しい波が全国に伝わったと思います。この背景には、超高齢社会の進展があることは間違いありません。老老介護という言葉がありますが、財産の管理運用の世界でも、同様なことが起こり始めています。賃貸アパートの家賃収入で老後のゆとりを確保する一方、貸家建付地、賃貸事業用小規模宅地の評価減を活用した相続税対策を企図したものの、必要十分なメンテナンス… [続きを読む]
2016年1月20日
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