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地図との付き合い - 鑑定法人エイ・スクエア/菅原健

 

不動産鑑定に携わっていると、様々な地図と付き合うことになります。まず、対象不動産の場所、位置などを特定するため住宅地図やネットの地図を使うことに始まり、現地に行くときにはスマホを持ってという具合です。物件を特定するといえば公図も欠かせません。ところがこの公図、あたかも実測図のように見えますが、昔はボロボロの和紙に筆で書かれており、分筆のたびに朱線で書き込まれていたりします。いわゆる旧土地台帳付属地図です。各筆の位置関係は把握できますが、実測図とは似て非なる物です。内容に漏れがある場合もあり、方位が東西逆になっていることもありました。現在では、国土調査に基づいた「14条地図」が徐々に整備されていますが、まだまだ少数です。公図を取得したときは、その下欄でいずれのものであるかをチェックするように心掛けています。

 

近年、土壌汚染に対するリスクが叫ばれるようになり、鑑定評価にても汚染の端緒が認められないか調査しなければなりません。この際に活躍するのが古い住宅地図です。国会図書館等に行くと、昭和30年代の手書きの住宅地図を閲覧することができます。これを見て、昔、工場等の建物が建っていなかったかどうか確認するわけです。元来地図好きな私はついつい見入ってしまい、「3丁目の夕日」の世界を楽しんでしまいます。

 

土壌汚染とともに地盤の良否も確認しますが、ここで役立つのが国土地理院発行の「土地利用図」です。畑とか宅地とかの利用状態によって美しく彩色された地図です。これは過去に遡って利用履歴を閲覧できます。しかもネットで無料で。ちなみに筑波にある国土地理院に出向けば様々な年代の一般的な地形図も取得でき、楽しい一日を過ごせます。興味のある方は一度訪れてみてはいかがでしょうか。

 

対象地に文化財が埋もれている可能性についても調査が求められます。市区町村の教育委員会では過去の文化財の発掘履歴を地図に落としており、遺跡分布図などと呼んでいます。過去に遺跡等の文化財がでてきた調査区域を「周知の埋蔵文化財包蔵地」として指定して注意喚起しているわけです。ネットで公開されている場合もあります。

 

昔の話になりますが、対象地から最寄駅までの道路距離を測る際に、頭に精巧なコロコロがついたキルビメーターという道具を使っていました。今ではネット地図上をピッと一発ですが、これはこれで楽しい作業でした。

 

この他にも鑑定評価の際に利用する地図とか図面の種類は多く、地図と楽しく付き合うことは、機械的な作業の少なくない鑑定評価業務のなかで一服の清涼剤となっています。

 

鑑定法人エイ・スクエア

不動産鑑定士 菅原 健

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)


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