国指定重要文化財渡部家住宅 - 愛媛県松山市 -
全国には国指定の重要文化財(国宝を含む)の建造物が2,400件近くあるが、これは慶応2年(1866年)に建てられた庄屋の建物で、保存状態は良い。
江戸時代も末期になると、庄屋=農家建築も“変質”していったようで、屋根には申し訳程度に茅葺の越屋根が乗っかり、内部の壁には武家建築の様式である「ドンデン返し」構造がある一方、庄屋としての格式を示すカンナ仕上げの梁を幾重にも架けた梁架構【写真】には圧倒される。
文化財の所有者等は、「公共のために大切に保存し、できるだけ公開する等その文化的活用に努めなければならない。」と文化財保護法にあるが、松山市の郊外にあるこの重文には、観光客が立ち寄ることは少ないようだ。(土・日のみ公開。無料。)