南魚沼の田園風景 - 新潟県南魚沼市-
ほくほく線(北越急行線)の車窓から見た米どころ南魚沼の風景。既に田植えが終わった田んぼでは早苗が風にそよぎ、強い陽射しの下、初夏の透明感を醸し出している。
ブランド力の高い「魚沼産こしひかり」だが、近年はその地位も安泰ではない。北海道産米(ゆめぴりか、ななつぼし等)や九州産米(さがびより、森のくまさん等)の認知度が上がっており、値段の差も縮小している。消費者にとっては、安くておいしいお米が食べられるのはうれしいことだが、生産者にとっては、日本の農業の現状は、“前門のトラ後門のオオカミ”というのが率直な気持だろう。
後門のオオカミ-あれだけ難航したTPP交渉も、ここにきて妥結への道筋が開けてきたように伝えられている。農業は言うに及ばず、畜産など日本の第一次産業がTPPによって受ける負の影響は大変なものがあるのだろうが、これが新たな変革のきっかけとなることを切に願う。海外に行くと、日本の農産品の品質は世界に誇れるものであることをいつも痛感する。こうした良質な農産品にこれまた優れた日本の加工や保存の技術を加えることで、価格は多少高くとも海外の消費者に受け入れられるものづくりを展開して欲しい。日本農業の国際化が成立すれば、若い人達の農業参入を後押しすることにもなり、好循環が生まれるのではないだろうか。