京の迎賓館一般公開 － 評価コンサルオフィス・ケン／桂健二

新緑のうつくしい初夏の候、社会人となって50周年の節目に、学び舎の同窓生が約100名（新入学時250名でした）京都に集合しました。物故者40名に黙祷をささげ、海外在住者を除き出席率は概ね50％、50年ぶりに再会する同窓生も多く、しかしながら即、学生時代に立ち戻り青春時代の名残を楽しみました。京都という都市環境は50年ぶりであっても得がたいものですね。

翌日、ゼミ仲間と3名で京都迎賓館（Kyoto State Guest House）が一般公開されていることを聴き参観することにしました。京都御苑の新緑と青もみじにドップリと浸かりながら朝9時から一般参観の人の列（約50名）に並び入館することができました。東京の迎賓館赤坂離宮とは趣が異なり、鉄筋コンクリート造りの建物ながら、和風の佇まいを中心に、正面玄関から四つの間（聚楽、夕映、藤、桐）で池をめぐる庭園を囲み、廊橋でつなぎ、日本（京）の空間を感じられる和風意匠が随所に配慮されています。おおむね1時間かけてじっくりと迎賓館を参観、楽しみました。なお、蛇足ながらこのような施設は不動産鑑定評価の対象には為りがたいものと思われます。

東京に戻り、翌日、イイノホールで開催された京都迎賓館シンポジウム「京都迎賓館の美とおもてなし」に参加いたしました。嬉しいことに、これには、お茶の会で半年学んだ同期生で素敵なお茶友達とご一緒できました。

京都祇園甲部歌舞会の芸妓、舞妓による舞踊が披露され、その後、和のおもてなしについて、元内閣府迎賓館館長の安藤氏の講演、さらに京蒔絵師下出氏、京料理「瓢亭」当主高橋氏、京都工繊大学中村名誉教授4名のパネルディスカッションがありました。

平成17年4月に開館した京都に位置する国の迎賓施設についての苦労話や日本の歴史、文化を象徴する施設として和の佇まいの説明にはこころ躍るものが感じられました。京都迎賓館を参観したばかりであることと、ご一緒出来た素敵なお茶友達の日本文化の話と相俟って、私にとって素晴らしいシンポジウムでした。

観光庁によれば訪日外国人は前年比約18％増加、旅行者の消費額も前年比約13％増加と「観光立国」として順調と思われます。新しい観光資源をつくる云々もよろしいでしょうが、「日本の和」は、京都を初めとし、多くの地方都市に数多く存在していると思います。百聞は一見にしかずと言いますが、是非、京都を訪れたときは「京の迎賓館」を参観されて「和のこころ、和のおもてなし」を実感されることをお勧めいたします。

以上

TAGS: 京都・京都迎賓館・桂健二・観光立国・評価コンサルオフィス・ケン | 2017年9月20日