デフレの日本経済について – 鑑定法人エイ・スクエア/須藤 鷹千代
デフレの一番大きな要因は、何でしょうか
エコノミストのご意見には、生産人口の減少、新興国輸入デフレ、財務諸表デフレとか色々なことが言われております。
私の勝手な意見を申し上げれば、地価下落が一番の要因ではないかと思っています。
地価下落の主要因は、20年間に亘る政府への政治不信と政策不在にあると思います。
平成2年ごろには、6000兆円と言われた日本の土地資産が平成21年には3700兆円まで下がり、2300兆円の膨大な資産が泡となって消え去ったわけです。
この膨大な損失を経済活動で穴埋をするには、今後何年、何十年かかるのでしょうか
最近の日経新聞の記事ですが、日本の国富が統計開始以来始めて、借金が資産を50兆円上回るとの報道ありました。
この理由は国債の発行が増え、土地価格が下落したことと分析されておりました。国富の半分以上が土地資産である以上、当然ですよね
ちなみに、東京都23区の固定資産評価額(22年度)も前年比17兆円も減っています。これでは、政府が多少のバラマキをしても、追いつきませんね
企業ベースでは財務諸表で減損処理しなければならないし、経済の血液である融資額が減ってくるわけですから、経営者としては悲観的でコンサバにならざるを得ません。
さらに、個人ベースでも自宅として購入した戸建やマンションが値下がりによってどうなるのか
ローンを返済したものの、売却しても手元にはいくらも残らないから、老健施設にも入れない。
安心して老後も送れない時代は、日本国民にとって幸せでしょうか。
1億総中流の時代がよっぽど幸せだったと思えてなりません。20年も値下がりが続いた現状から、発想転換をして土地価格をこれ以上さげない、政策をとるべき時代であると思います。
土地価格のバブルは良くありませんが、マイルドな上昇はかえってウエルカムではないでしょうか。日本の国富、企業の資産、個人の財産が増えて怒る人は殆どいない筈です。
このまま、土地価格の下落を無責任に傍観しないで、明るくて、元気の良い日本にするため、、土地価格が上がっていくような政策を政治家の先生方にお願いしたいものです。
株式会社 鑑定法人エイ・スクエア
代表取締役会 須藤 鷹千代
株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)