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「埼玉」の語源はさきたま? ― さきたま不動産鑑定事務所 / 山口 邦男

 

営んでいる不動産鑑定事務所が「さきたま」という社名なので、「さきたま」について語らせていただきます。「さきたま」とは、現在の埼玉県名「さいたま」以前に発音されていたもので、平安時代の文献では「前玉」と標記され、「さいたま」は「さきたま」から派生した音便というのが一般の見解のようです。

 

「埼玉」の語源は「さきたま」?

実際にわたしの事務所のある埼玉県行田市大字埼玉は、「埼玉」を「さきたま」と発音しては、まさに埼玉県名発祥の地であり、ここぞ「埼玉」という思いがあります。太平洋戦争中、地元から出征した兵士が上官から出身地を尋ねられ、「埼玉県埼玉郡埼玉村大字埼玉字埼玉の出身であります!」と発したところ、その直截さに「貴様は本官を馬鹿にしているのか!」と返されたという逸話を地元の古老から聞いたことがありますが、「さきたま」はまさに「埼玉」そのものです。

 

埼玉(さきたま)古墳群には、古墳公園内に全国一の大型円墳丸墓山をはじめ、武蔵国最大の前方後円墳を含む大型古墳が点在しています。このことは、当地が古代武蔵国の中心として栄え、前方後円墳の稲荷山から出土した国宝の金錯銘鉄剣はそれを象徴しています。

 

刻まれた銘文には、辛亥の年(西暦471年)、鉄剣の主であるオワケの臣が、朝廷の親衛隊長としてワカタケル大王に仕え活躍したとある。ワカタケルとは中国の史書では残忍な倭の武王とされた第21代雄略天皇のことですが、反面、雄略は万葉集に優しい恋歌をも残している。

 

1982年秋、昭和天皇が視察に訪れた際、「雄略はどのような人柄だったのでしょうか」とお尋ねになり、案内役が咄嗟に「多分お優しい方かと」と申しあげたところ大きく頷かれていたのは、陛下の念頭には万葉集の御製歌がおありになり、その深い学識が偲ばれたというエピソードも残っています。また万葉集にはここ「埼玉の津」を歌った2首があり、古代さきたまの地は利根川、荒川という大河をはさみ水運の地でもありました。

 

園内の円墳丸墓山に登れば、行田の市街地が一望できます。かつて成田氏の居城である忍城の天守も見えます。戦国時代、豊臣秀吉が石田三成を遣わして北条方である成田氏の忍城を「水攻め」にした際の三成方陣地がこの丸墓山でした。周辺には陣場という地名が今に残ります。近年ベストセラーになった小説「のぼうの城」の舞台はまさにこの「さきたま」の里であり、来秋にはその映画が全国に放映の予定です。

 

埼玉県は人口700万人を超える大きな県です。1960年の初めは300万人台でしたから、それだけ首都圏の一角として都市化が進み、県内地価もそれに伴い高いものとなりました。しかし少子高齢化のなかで県内人口の高齢化率も全国一のペースで今後進んでいくとの予測があり、不動産動向にはそうした面からの注意も払わねばならない時代に入ってきました。翻り埼玉の歴史の原点が「さきたま」にあることを胸に、県全体を視野に仕事に精進していきたいと思う昨今です。

 

さきたま不動産鑑定事務所

不動産鑑定士 山口 邦男

 

株式会社ビル経営研究所の「週刊ビル経営」より転載(許諾済)

 


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